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カカオとココアの違いとは?ココアの豆知識もご紹介

みなさま、「カカオ」と「ココア」の違いってすぐに言えますか?意外と「あれ?何が違うんだっけ?」と思う方もいるはず。本記事ではカカオとココアの違いについてご紹介いたします!カカオとココアは似ていますが、明確な違いについて理解している方は少ないでしょう。カカオとココアの違いを知り、お菓子や料理に使用してはいかがでしょうか。

 

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カカオとココアの違いとは

カカオとココアは同じカカオ豆からできています。しかし、カカオとココアはカカオ豆から作られる工程に違いがあります。発酵させたカカオ豆を低温でローストし、挽いてパウダー状にしたものが「カカオパウダー」です。

ココアパウダーは、発酵したカカオを高温でローストし、砕いて胚乳部だけにしたカカオニブにします。その後砕いて油脂である「ココアバター」と固形物である「カカオケーキ」にわけます。「カカオケーキ」をパウダー状にしたものが、「ココアパウダー」です。

ココアパウダーはカカオ豆から油分を取り除き粉状にしたものが、一般的に売られているココアです。ココアは高熱が加えられているうえに、何度も加工されているため、ミネラルや抗酸化物質は取り除かれてしまっています。

カカオパウダーは加工過程がココアパウダーよりも少ないため、カカオ豆に近い味わいで苦味が強く、栄養素も豊富です。カカオの苦味成分であるカカオポリフェノールには血圧低下、動脈硬化予防、老化防止などのさまざまな効果があります。

一方、ココアパウダーは、チョコレートになる手前の状態です。砂糖や牛乳が含まれていないため、チョコレートよりも甘くなくさっぱりとした味わいです。しかし、高温加工や複数の工程を行っているため、栄養素はカカオパウダーに劣ります。栄養面でカカオパウダーは、ココアパウダーよりも優れています。

 

 

 

 

カカオからココアになるまで

ここからはカカオ豆からココアパウダーができる工程について紹介します。

 

カカオ豆の産地

まずはカカオの産地についてご紹介。カカオ豆は産地によって味や香りが異なります。

コートジボワール(西アフリカ)

コートジボワールのカカオの生産量はほかを大きく離し、1位です。2位のガーナと比べると約3倍の生産量を誇っています。コートジボワールのカカオは、マイルドで控えめな苦味に、重厚感のある味が特徴的です。ヨーロッパでは、コートジボワール産カカオ豆をベースにしたチョコレートが、一般的に親しまれています。

 

ガーナ(西アフリカ)

ガーナは日本でも馴染のあるカカオ豆です。コクや香りがよく、苦味、酸味、渋みのまとまりがあり食べやすいでしょう。日本に輸入されるカカオ豆の約80%はガーナ産であり、日本人に親しまれているカカオ豆です。

タブレットショコラ ガーナ80

ガーナ産のカカオ豆を使用したチョコレート「タブレットショコラ ガーナ80」

 

エクアドル(中南米)

エクアドルのカカオ豆は華やかな独特の風味があります。強いカカオの味わいの中にジャスミンのようなフルーティーな香りが感じられます。後味に残る渋みは特徴的です。

エクアドル70

エクアドル産のカカオ豆を使用したチョコレート「タブレットショコラ エクアドル70」

 

ベネズエラ(中南米)

ベネズエラは、高品質なカカオ豆です。ナッツに似た香ばしい香りがします。コクがあり酸味が少ない味わいが特徴的です。

 

カカオ豆からココアパウダーを作る際、豆は同種のものを使う場合もありますが、ブレンドしてよりバランスの取れた味わいにする場合もあります。カカオ豆によりココアパウダーの香りも異なります。

 

 

 

ココアになるまでの工程

カカオ豆がココアになるまでには、さまざまな工程が行われます。ここでは、ココアになるまでの工程について紹介します。

①選別
カカオ豆はまず選別です。カカオ豆の果肉であるカカオパルプの乾燥したものや外皮などが混ざってしまっている場合があります。そのため、まずはカカオ豆と一緒に混入したものを取り除き、また同時にカカオ豆として使用できない割れたものや発芽したものも取り除きます。

②分離
カカオニブというカカオの胚乳を取り出すために、カカオ豆を砕いて種皮と発芽部分を取り除きます。このカカオニブがカカオパウダーやココアパウダーになります。

③焙煎
カカオニブをローストします。ローストは、ココアパウダーやカカオパウダーの味や香りを決める重要な工程です。

④摩砕
カカオニブをローストしたら、摩砕機ですり潰しペースト状にします。このペースト状のものが「カカオマス」です。カカオマスはペースト状ですが、室温で固体になります。

⑤圧搾
カカオマスを圧搾し、固形物の「ココアケーキ」と油脂である「カカオバター」にわけます。このココアケーキを粉砕したものがココアパウダーとなります。

 

 

 

 

 

ココアについての豆知識

ここからはココアの豆知識について紹介します。

 

1.チョコレートとの違い

ココアパウダーは選別、分離、焙煎、摩砕、圧搾、最後に粉砕するとココアパウダーが完成します。一方チョコレートは、磨砕でできたココアマスに、ココアバターや砂糖などを加えて仕上げたものがチョコレートです。

ココアパウダーとチョコレートの一番の違いは、アルカリ処理の工程です。ココアパウダーの製造工程には、カカオニブにアルカリ溶液を加えて、酸味の軽減や味をまろやかにします。その際色味や味の深みも生まれます。アルカリ溶液が用いられる前は、油脂分が多く水やミルクが混ざりにくく、カカオ豆の発酵時に精製される有機酸で酸味が強い味わいでした。

アルカリ溶液で処理することにより、酸味が中和される大きな発明がされました。中和されるため、酸味の少ない味わいに変わります。そのうえココアバターを機械で圧搾し、ココアパウダーの脂肪分を28%ほどに軽減できたため、お湯と混ざりやすいものになりました。 現在でも一部のココアパウダーには、アルカリ処理をせず製造されるものも存在します。

 

 

 

 

2.ココアは2種類ある

ココアには「純ココア」と「調整ココア」の2種類があります。純ココアはカカオマスからカカオバターを除いて粉状にしたものです。純ココアには砂糖や添加物は一切入っていません。

調整ココアは純ココアに砂糖や脱脂粉乳などを加えて味が調節されたものです。調整ココアは牛乳やお湯を加えるだけでドリンクとして美味しく飲めるように製造されたものです。そのため手軽に飲める便利性があります。

お菓子や料理に使う際は、純ココアを使用します。スーパーでは、純ココアも調整ココアも両方取り扱っているところが多いでしょう。

ココアドリンクを作りたかったのに、純ココアしかなかった場合は、純ココアで代用が可能です。お湯で純ココアを溶かす際に、ミルクや砂糖を加えることで調整ココアに近い味わいを出せます。

一方、お菓子作りをする際に調整ココアしかなかった場合、調整ココアでの代用は可能ですが、注意が必要です。調整ココアには、砂糖や脱脂粉乳が含まれているため、純ココアと同じ分量で使用するとココアの量が少なくなってしまったり、甘みが強く出てしまったりする場合があります。
クッキーに調整ココアを使用する際は、砂糖の量を調節して代用が可能ですが、純ココアを多く使用するガトーショコラやケーキなどは調整ココアで代用は不向きでしょう。

 

 

3.ココアはカロリーが高め

ココアには純ココアと調整ココアがあり、調整ココアには砂糖や脱脂粉乳が含まれているため、カロリーは高くなってしまいます。調整ココアの1杯あたりのカロリーはお湯で飲んだ場合80kaclです。

一方で、純ココアには砂糖や脱脂粉乳などは一切含まれていないため、調整ココアに比べてカロリーは低い傾向があります。純ココアの1杯あたりのカロリーはお湯で飲んだ場合19kaclです。カロリーの摂取を抑えたい場合は、純ココアを使用するとよいでしょう。

 

 

カカオとココアの違いについて知る

カカオとココアは同じカカオ豆からできていますが、製造工程が違います。カカオ豆を発酵させ、低温でローストして挽いたもの「カカオパウダー」です。

一方発酵したカカオ豆を高温でローストした後「ココアケーキ」と「ココアバター」をわけてココアケーキを粉砕したものが「ココアパウダー」です。

ココアパウダーは、カカオパウダーに比べると工程も多いため、味もまろやかで食べやすいでしょう。一方でカカオパウダーは工程が少ないため、カカオ豆の味に近い傾向があります。苦味は強いですが、ココアパウダーよりも低カロリーで栄養が豊富です。

カカオとココアは似ていますが、味や栄養素は違います。カカオパウダーやココアパウダーの違いを知り、使いわけましょう。

 

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