Chocolate

チョコレートは冷凍しても大丈夫?基本の保存方法と冷凍のコツを伝授

暑い時期に、チョコレートが溶けてしまわないよう、冷凍庫で保存している人も多いのではないでしょうか。しかし、チョコレートは温度の変化による影響を受けやすい食品のため、冷凍保存によりさまざまな変化が発生します。

本記事では、チョコレートの保存方法として冷凍・冷蔵・常温のうちどれがよいのか解説するとともに、チョコレートを保存するのに適した場所、冷凍保存するデメリットなどを紹介します。チョコレートの冷凍保存に関するよくある質問にも解凍しているため、チョコレートの保存方法について疑問がある人は、ぜひ参考にしてください。

チョコレートの保存は冷凍・冷蔵・常温のうちどれが正解?

板チョコレート(タブレットショコラ)の場合、20℃以下の涼しい場所で保存するのが理想的です。特に冬場は湿気や直射日光を避けられる環境であれば、常温保存が適しています。ただし、夏場など気温が高い時期は、溶けやすくなるため注意が必要です。

生チョコレートやガナッシュのような生クリームが使われているチョコレートは、10℃以下での冷蔵保存がおすすめです。冷蔵保存をする際には、冷蔵室ではなく野菜室を利用するとよいでしょう。野菜室の温度(38℃)は、チョコレートの適正温度に近く、冷えすぎを防いでくれます。

チョコレートは冷凍保存も可能ですが、冷凍する際には注意が必要です。急激な温度変化による風味や食感の劣化を避けるために、冷凍前にラップや密閉容器に入れて冷蔵庫でゆっくりと冷やすとよいでしょう。

 

チョコレートの保存が向いている場所

チョコレートの保存場所は、直射日光や湿気を避け、高温多湿にならない場所が理想的です。これらの要素は、チョコレートの風味や食感を損なう原因となるため、できるだけ温度が安定した環境で保存することが大切です。チョコレートを冷蔵保存する場合は、冷蔵室よりも温度がやや高めに設定されている野菜室を選ぶとよいでしょう。一般的に、冷蔵室は26℃ですが、野菜室は38℃に設定されており、チョコレートの保存に適しています。

また、野菜室がない場合やスペースが足りない場合は、比較的温度が安定している冷蔵庫の扉側に保存するのがおすすめです。さらに、新聞紙などに包むことで温度の変動を抑え、チョコレートが冷えすぎないよう工夫しましょう。冷蔵庫内の湿度対策として密閉容器に入れると、湿気を避けつつ品質を保つことが可能です。

 

チョコレートを冷凍するデメリット

ここでは、チョコレートを冷凍するデメリットを2つ紹介します。夏場は特に、気温が高いためチョコレートが溶けないよう冷凍庫に入れる人も多いでしょう。また、暑い夏に冷たいチョコレートを食べるのが好きという人もいるのではないでしょうか。しかし、チョコレートを冷凍庫に入れると風味が悪くなったり、匂い移りが発生したりとデメリットもあるため注意が必要です。

食感が悪くなる

チョコレートを冷凍すると、食感や風味が劣化してしまう可能性があります。チョコレートに含まれる脂肪分は、冷えると固まりやすい性質があり、口あたりが滑らかではなくなってしまうのです。

また、食べるときに冷凍庫から常温の環境に取り出したとき、急激な温度変化によってチョコレートの表面に白い粉のような斑点が浮き出るケースがあります。ファットブルームとも呼ばれる現象で、チョコレートに含まれる脂肪分が表面に浮き出るために発生するものです。食べても健康に影響はありませんが、見た目が悪くなり、口あたりがザラつくため、風味や食感が損なわれてしまうでしょう。

冷凍庫の匂いが移る

チョコレートは、ほかの食材の匂いを吸収しやすい性質があります。冷凍庫や冷蔵庫に保存すると、その中にあるほかの食材の匂いがチョコレートに移り、風味が損なわれるおそれがあるでしょう。また、冷凍保存の場合、チョコレートを取り出した際に結露が発生しやすく、湿気がチョコレートに悪影響をおよぼすことも。霜や冷凍庫内の匂いがチョコレートに移る可能性もあります。冷凍保存をする場合は、チョコレートをラップで包んだり、密閉できる冷凍用保存袋に入れたりして、しっかりと密封しましょう。また、冷凍庫から食べる際には、冷蔵庫に移してゆっくり解凍することで、結露が少なくなり品質を保ちやすくなります。

   

チョコレートの冷凍保存でよくある質問

ここでは、チョコレートの冷凍保存についてよくある質問を紹介します。チョコレートを溶かさないために冷凍保存を活用している人は多いでしょう。冷凍保存をしてはいけないわけではありませんが、チョコレートの風味や口あたりに影響をおよぼすため、チョコレートの性質と冷凍保存の関係性を知っておくことが大切です。

冷凍は絶対にダメですか?

チョコレートを冷凍してはいけないわけではありません。しかし、チョコレートは温度や湿度、光などの影響を受けやすい食品のため、冷凍すると風味が落ちやすく、特に食感に悪影響を与える可能性があります。

衛生面上での問題はなく、冷凍保存することでチョコレートの品質が著しく劣化するわけではないものの、風味や食感が落ちてしまうため、チョコレートをおいしく食べたいのであれば冷凍は避けたほうがよいといえるでしょう。もし冷凍保存する場合は、適切な包装をすることが大切です。

匂い移りを防ぐ方法はありますか?

チョコレートは冷蔵庫や冷凍庫内の匂いを吸収しやすいため、保存時には注意が必要です。匂い移りを防ぐためには、まずチョコレートをアルミホイルでしっかり包み、さらに密封できるジップ付きの袋に入れて保管するとよいでしょう。密閉することで冷凍庫内にあるほかの食材からの臭いや湿気を遮断できるため、チョコレートの風味が落ちにくくなります。

冷凍したチョコレートをお菓子に使っても大丈夫ですか?

冷凍したチョコレートは、お菓子作りに使用しても問題ありません。チョコレートを溶かして加熱する場合、冷凍したものでも分離したり成分が変質したりする心配はありません。

ただし、解凍後にそのまま食べる場合は、食感や風味が落ちる可能性があります。加熱調理をする場合には風味や口あたりなどの問題が影響しにくいため、お菓子作りに使用する際は気にしすぎる必要はないでしょう。

表面に白い点があります。カビでしょうか?

チョコレートの表面に白い点や粉が浮いている場合、カビではなくシュガーブルームの可能性が高いでしょう。シュガーブルームは、冷凍保存したチョコレートが急激に温度変化を受けることで結露が発生し、砂糖が溶け出して再結晶化する現象です。

カビではないため、食べても問題はありませんが、シュガーブルームができてしまうと、味や食感が劣化してしまいます。そのため、結露を避けるために、冷凍チョコレートを食べる際は、冷蔵庫に移してゆっくり解凍しましょう。

   

冷凍に向いたチョコレートもある

チョコレートの保存に冷凍は向いていないと解説してきましたが、チョコレートの種類によっては冷凍保存したほうがよいものもあります。冷凍保存に適しているのは、水分が多く含まれるチョコレートや、賞味期限が短いタイプのチョコレートです。

例えば、生チョコやボンボンショコラ、トリュフなど、クリームやリキュールを含むチョコレートは、冷凍することで保存期間を延ばすことが可能です。さらに、チョコレートを使ったケーキやパンなども冷凍保存に向いており、解凍後も比較的風味や食感を維持できるでしょう。

   

まとめ

チョコレートは、冷凍保存すると風味や口あたりが劣化してしまう可能性があります。チョコレートの種類によって保存に適した温度は多少異なりますが、できる限り常温で保存するのがおすすめです。夏の気温が高い時期は、冷蔵庫の中でも温度が低すぎない野菜室を活用しましょう。また冷蔵・冷凍保存する際は、ほかの食品や湿度による匂い移りを防ぐために、密閉容器に入れて保存するのがおすすめです。チョコレートの保存に適した温度を理解し、いつでもおいしいチョコレートを食べられるようにしましょう。

 
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