貧血で悩んでいるとき、チョコレートが貧血に効くという話を耳にしたことがある人もいるでしょう。また、貧血を改善したいと考えたとき、チョコレートのほかにもさまざまな栄養素やそれらを含んだ食品が役に立ちます。
本記事では、チョコレートが貧血に効くといわれている理由を紹介するとともに、チョコレート以外で貧血改善に役立つと考えられる食品を紹介します。貧血予防のために鉄分を摂取する際の注意点も解説するため、貧血で悩んでいる方やチョコレートの効果が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
チョコレートが貧血の予防や改善効果があるという話を聞いたことがある人もいるでしょう。しかし、なぜチョコレートが貧血を改善できるといわれているのか知らない人も多くいます。ここでは、チョコレートが貧血に効くといわれている理由を紹介します。また、貧血に効くからと食べ過ぎてしまうと、別の健康問題が発生する可能性もあるでしょう。そのため、チョコレートは適量を守って食べることが大切です。
チョコレートが貧血に効果的といわれている理由は、貧血対策に役立つといわれている鉄分をはじめとしたさまざまな栄養素が含まれているためです。チョコレートの中でも、ビターチョコレートやダークチョコレートは、鉄分や亜鉛、銅などのミネラルが豊富に含まれています。ミネラル類は、血液の酸素運搬能力を高める大切な役割を担っているため、適量摂取することで、貧血改善効果が期待できるでしょう。
また、チョコレートには、たんぱく質やビタミンE、葉酸などの栄養素も含まれており、貧血改善に貢献しています。例えば、ビタミンEは血行を改善し、葉酸は赤血球の生成を助けるため、貧血の予防に重要です。ビタミンB12やビタミンCは含まれていないものの、チョコレートは貧血対策に役立つ多くの栄養素を一度に摂取できる手軽な食品といえるでしょう。
貧血対策としてチョコレートを摂取する際には、カカオ含有量の高いものを選ぶのがポイントです。カカオの含有量が多いほど、鉄分やミネラルが豊富に含まれているため、貧血改善に役立つ効果が期待できます。一方、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートはカカオ含有量が低く、貧血対策にはあまり向いていません。特にホワイトチョコレートにはカカオ成分が含まれていないため、貧血改善効果は期待できないでしょう。
前述したように、チョコレートの中でも、貧血改善に最も効果が期待できるのは高カカオチョコレートです。明確な定義はありませんが、カカオ含有量が70%以上のチョコレートが「ハイカカオチョコレート」として市場に出回っています。カカオ含有率が高くなると、鉄分や亜鉛、銅などのミネラルや抗酸化成分であるポリフェノールの量も増え、貧血改善だけでなく、身体全体の健康にもよい影響を与えると考えられているのです。
ただし、高カカオチョコレートはカカオ特有の苦味や渋みが強くなり、好みが分かれることがあります。最初はカカオ70%程度のものから試し、慣れてきたらカカオ80%以上のものを選ぶと、より高い健康効果が期待できるでしょう。
チョコレートの1日摂取量は特に定められていませんが、健康目的で摂取する場合、適量を守ることが大切です。1日に35g程度のチョコレートが目安とされており、それ以上摂取するとカロリーオーバーになる可能性があります。35gあれば、貧血対策に効果的な栄養素を十分に摂取しながら、カロリーの摂り過ぎによる肥満のリスクを抑えることが可能です。チョコレートはカロリーが高い食品のため、適度に摂取することが重要です。貧血対策としては、ハイカカオチョコレートを少量ずつ摂取し、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
チョコレート以外にも貧血の予防や改善効果が期待できる食品はさまざまあります。貧血に効く栄養素といわれると鉄分を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、貧血を予防・改善するためには、鉄分以外の栄養素も取る必要があります。ここでは、チョコレート以外に貧血への効果が期待できる食品とその栄養素を紹介します。
レバーは、貧血改善効果が期待できる食品として知られています。豚レバーや鶏レバー、牛レバーには、体内に吸収されやすいヘム鉄が豊富に含まれています。また、レバーには、赤血球の生成をサポートする造血のビタミンとして知られている葉酸やビタミンB12も多く含まれており、これらの栄養素が相互に働くことで、貧血の症状であるだるさや立ちくらみの改善に効果を発揮してくれるでしょう。
海苔の中でも、特に焼き海苔には、鉄分とビタミンCが豊富に含まれており、貧血対策に有効的です。鉄分は赤血球の生成に欠かせない栄養素で、ビタミンCは鉄の吸収を助けます。また、海苔には赤血球の生成を促進する栄養素である葉酸も含まれています。葉酸は、特に妊娠中の女性にとって重要な栄養素であり、妊娠前から積極的に摂取することが推奨されている栄養素です。葉酸が不足すると、巨赤芽球性貧血という病気を引き起こすこともあるため、海苔を食事に取り入れることで葉酸不足を防ぎましょう。
豆類は、鉄分や葉酸、たんぱく質が豊富なため、貧血対策に効果があるといわれています。特にいんげん豆や小豆、レンズ豆は非ヘム鉄を多く含み、ビタミンB6や葉酸も含んでいるため、赤血球の生成をサポートしてくれるでしょう。鉄分が多い食品と豆類を組み合わせて摂取することで、効率的に鉄を補給し、貧血予防に役立てることが可能です。日々の食事に豆類を取り入れることで、継続的な貧血対策を行いましょう。
ほうれん草は、貧血改善に役立つ鉄分を含む緑黄色野菜の一つです。ほうれん草に含まれる鉄は非ヘム鉄といわれ、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が向上します。ほうれん草自体にビタミンCが含まれているため、効率的に鉄を体内に取り込めるでしょう。また、ほうれん草は葉酸も豊富に含んでおり、赤血球の生成をサポートするため、貧血改善に役立つとされています。
ここでは、鉄分の豊富な食材を摂取するときの注意点を紹介します。鉄分が貧血に効くといっても、摂りすぎはほかの健康被害をまねくおそれがあるため注意が必要です。また、一緒に摂取すると鉄分の吸収を阻害してしまう栄養素や、反対に吸収率を高めてくれる栄養素もあるため、より効果的な組み合わせを理解し、貧血対策に役立てましょう。
鉄分は、貧血予防に効果があるといわれていますが、過剰摂取には注意が必要です。鉄分を摂り過ぎると、便秘や胃の不快感を引き起こす可能性があるといわれています。鉄分の摂りすぎは体に悪影響をおよぼす場合もあると理解しましょう。
成人は鉄が体内に蓄積しやすいため、摂り過ぎると慢性的な病気の原因になると指摘されています。また、乳幼児が鉄分のサプリメントを摂取すると体調不良になるリスクが高まるだけではなく、深刻な臓器障害や命に関わるリスクも生じてしまいます。そのため、鉄分を多く含む食品やサプリメントを取る際は、細心の注意が必要です。
カルシウムやタンニンは、鉄分の吸収を阻害する要因といわれています。タンニンが豊富に含まれている緑茶や紅茶、ウーロン茶などと一緒に摂取すると、体内で鉄分とタンニンが結びついてしまい、鉄分の吸収が妨げられてしまうのです。また、カルシウムも鉄分の吸収を阻害するといわれています。カルシウムが豊富な牛乳やカフェラテなども一緒に摂取するのは控えたほうがよいでしょう。
鉄分の吸収を助ける働きのある栄養素として、ビタミンⅭがよく知られています。例えば、鉄分を豊富に含む肉類にレモン汁をかけて食べると、鉄分の吸収効率が向上します。ほかにも、鉄分を多く含む食材を食べるときは、ブロッコリーやパプリカなどのビタミンⅭが豊富な野菜を一緒に摂取することで、鉄分の吸収を促進させられるでしょう。
チョコレートは、鉄分のほかに血液の酸素運搬能力を高めるミネラル類が豊富に含まれているため、貧血予防や改善効果が期待できるといわれています。特に、カカオの成分が濃いハイカカオチョコレートは、鉄分や亜鉛、銅などのミネラルや抗酸化成分であるポリフェノールが豊富に含まれているため、健康によいといわれています。しかし、チョコレートは高カロリーな食品のため、食べ過ぎに注意が必要です。貧血を予防・改善したいのであれば、チョコレートのほかにも、貧血に役立つとされている栄養素を豊富に含む食材を組み合わせて食事を摂ることが大切です。