Chocolate

チョコレートには中毒性がある?健康リスクやうまい付き合い方を紹介

健康効果にも注目が集まっているチョコレートをおやつとして取り入れている方は多いでしょう。しかし、ついつい食べすぎてしまうことはあるのではないでしょうか。実はチョコレートに含まれるさまざまな成分の中には、中毒性の高いものがあります。少量であれば健康効果が期待できるチョコレートですが、食べすぎは体に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。

この記事ではチョコレートに含まれる中毒性のある成分や健康リスク、健康的なチョコレートの食べ方などを紹介します。

   

チョコレートは中毒性のある食品?

チョコレートを食べすぎてしまう、我慢するとイライラするといった症状はチョコレート依存症の可能性があります。チョコレートに中毒性があるのは、原料に含まれるさまざまな成分が原因です。ここでは、中毒性や依存性を引き起こす可能性のあるチョコレートの成分を紹介します。  

テオブロミン

テオブロミンは、チョコレートの原料であるカカオに含まれる成分です。中枢神経に作用し、記憶力や集中力を高めたり血行を促進したりする効果を持っているため、リラックスしたいときやリフレッシュしたいときに向いています。しかし、テオブロミンには気分を興奮させる作用もあるため、取りすぎには注意が必要です。過剰摂取は動悸や頭痛、不安感などを引き起こすことがあります。また、利尿作用もあるため、特に夕方以降に大量に摂取すると不眠や中途覚醒につながるおそれがあります。

カフェイン

コーヒーやエナジードリンクなどに多いカフェインは、チョコレートの原料であるカカオにも含まれています。神経を刺激して興奮させる作用があるため、やる気を起こさせたり眠気を醒ましたりする効果があります。ただし、カフェインの摂取量が多いとめまい、吐き気、イライラ感、不眠などの症状が出る可能性があるため注意しましょう。中毒症状が重い場合は妄想や幻覚、意識低下が起こり、死に至ることもあります。チョコレート以外の食品にも含まれているため、気付かないうちに大量摂取してしまわないよう注意が必要です。

セロトニン

セロトニンは恐怖を感じさせるノルアドレナリンや、喜びや快楽に関係するドーパミンなどの神経伝達をコントロールして精神を安定させる作用を持つ物質です。カカオに多く含まれており、摂取するとストレスを感じにくくなったり幸福感が増したりするため、幸せホルモンとも呼ばれています。ただし、チョコレートから多くのセロトニンを摂ることに慣れてしまうと、体内のセロトニンが低下した際にイライラしやすくなったり、依存につながったりする可能性があるため注意しましょう。

エンドルフィン

エンドルフィンも幸せホルモンと呼ばれる物質の1つです。痛みを抑えたり、多幸感をもたらしたりする効果があることから、エンドルフィンは脳内モルヒネまたは脳内麻薬と呼ばれることもあります。チョコレートを食べることで疲れが取れたように感じたり、気分が高揚したりするのはエンドルフィンの分泌が促されるためです。ただし、エンドルフィンも摂りすぎは依存につながることがあるため注意が必要です。

砂糖

チョコレートのような嗜好品だけでなく、白米やパンのような主食にも含まれている砂糖や糖分も、摂りすぎが中毒につながる成分です。疲れたときに甘いものを食べたり飲んだりするとリラックスできるのは、砂糖には幸福感を得られるセロトニンやドーパミンなどの分泌を促す働きがあるためです。しかし、刺激に慣れると常に甘いものが欲しくなる砂糖依存症になる危険があります。甘いもの中毒とも呼ばれる砂糖依存症の人は、砂糖や糖分を我慢するとイライラしたり、疲れやすくなったりします。    

チョコレートの食べすぎによる健康へのリスク

チョコレートの食べすぎにはさまざまな健康上のリスクがあります。チョコレートを健康的に楽しむには適正な摂取量を超えないことが大切です。ここではチョコレート中毒で過剰摂取した際に高まるリスクを紹介します。

肥満につながる

チョコレートに多いステアリン酸という脂肪は人体に吸収されにくいため、他の菓子類と比べると太りにくいといわれています。しかし、糖分も多く含まれているため、食べすぎれば肥満につながるおそれがあります。特に砂糖の割合が高いホワイトチョコレートやミルクチョコレートが好きな方は、カロリーオーバーに注意が必要です。適切な間食の量の目安は1日あたり200kcalといわれています。チョコレートを食べる際の参考にしましょう。

生活習慣病のリスクが高まる

生活習慣病とは、がんや心臓病、糖尿病といった生活習慣に起因する各種の疾病のことです。チョコレートには糖分や脂質が多いため、食べすぎは生活習慣病のリスクを高める危険性があります。一方で、チョコレートに含まれている抗酸化物質のカカオポリフェノールには、動脈硬化や高血圧を予防する効果があるといわれています。適正な量のチョコレートを食べることは、むしろ健康効果が期待できるといえるでしょう。

自律神経が乱れる

チョコレートに含まれるカフェインには、交感神経を刺激して興奮させる作用があります。少量であれば眠気覚ましや集中力を高めるのに適しているものの、摂りすぎは交感神経と副交感神経のバランスが崩れて自律神経が乱れる原因になります。動機やめまい、吐き気などといった自律神経失調症の症状が出ることもあるため注意が必要です。

頭痛やめまいが生じる

カカオに含まれているテオブロミンは、過剰摂取により頭痛やめまいを引き起こすおそれのある成分です。また、興奮作用や利尿作用により、不眠や睡眠の質の低下を招くこともあります。なお、チョコレートの過剰摂取により頭痛やめまいを引き起こすのはテオブロミンだけではありません。チョコレートに含まれるチラミンという物質も交感神経を興奮させるため、摂りすぎは血圧上昇や頭痛を生じさせる可能性があります。    

中毒性対策!健康的なチョコレートの食べ方

チョコレートは中毒性が高いため、摂取量のコントロールに加えて食べ方に注意するとよいでしょう。ここでは健康的にチョコレートを楽しむ方法を2つ紹介します。チョコレートをつい食べすぎてしまう方や、健康効果を高めたい方は参考にしてください。  

カカオ成分70%以上のハイカカオチョコレートを選ぶ

カカオポリフェノールや不溶性食物繊維のリグニンなど、チョコレートの健康に良いといわれている成分の多くは原料のカカオに含まれています。そのため、健康的にチョコレートを楽しむなら、カカオ成分70%以上のいわゆるハイカカオチョコレートを選ぶのがおすすめです。カカオ成分が高いハイカカオチョコレートは糖分や乳脂肪分由来の脂質などが少ないため、チョコレート中毒のリスクも抑えられるでしょう。

少量ずつ食べる

摂取量を抑えるだけでなく、1日の中でも数度に分けてチョコレートを食べるのがおすすめです。チョコレートの健康成分の1つであるカカオポリフェノールは、摂取から2時間後に血中濃度が最も高くなった後、少しずつ体外へ排出されてしまいます。24時間後にはほとんど効果がなくなるといわれているため、少しずつチョコレートを食べることでカカオポリフェノールの効果が長く続くでしょう。また、小分けにすることでカロリーオーバーも防げます。    

まとめ

チョコレートが中毒性の高い食品といわれているのは、テオブロミンやカフェイン、砂糖などの成分が含まれているのが理由です。食べすぎは依存症や健康リスクにつながる可能性があるため注意しましょう。 ただし、テオブロミンやカフェインはリラックスしたり眠気を冷ましたりする効果もある成分です。また、チョコレートには抗酸化物質のカカオポリフェノールも含まれているため、健康に良いといわれています。健康的にチョコレートを楽しむには、ハイカカオチョコレートを選んだり少量ずつ食べたりするのがおすすめです。      
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