バレンタインデーにチョコレートやプレゼントをもらい、ホワイトデーに何をお返ししようか迷っている人も多くいるでしょう。バレンタインデーは世界中で定着しているイベントですが、バレンタインデーの起源はローマ帝国時代までさかのぼります。一方で、ホワイトデーの起源が日本であることはあまり知られていません。海外ではなく日本でホワイトデーが生まれた背景には、日本の文化である贈答文化が関係しているといわれています。
ホワイトデーは、バレンタインデーにチョコレートやプレゼントをもらったお返しをする日のことです。ホワイトデーは日本発祥のイベントで、発祥の背景には、「もらったら返す」といった贈答文化が関係しているといわれています。
海外にホワイトデーはなく、日本人らしいイベントであるといえるでしょう。現在はホワイトデーと呼ばれていますが、ホワイトデーの誕生当時は「マシュマロデー」や「キャンディーの日」と呼ばれていました。ホワイトデーの名称が広く知られるようになった背景には、さまざまな説があるといわれています。
ホワイトデーの起源について深く考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。それほど日本では、ホワイトデーが身近なイベントとして定着しています。ホワイトデーの起源にはいくつか説があるとされていますが、お菓子関連の企業や組合が生み出したとされる説が有名です。
福岡県に所在する有名老舗和菓子店社長の考案した「マシュマロデー」が起源の1つであるとされています。この菓子店は、マシュマロを主体とした和菓子が定番商品です。そのため、バレンタインデーで贈られるチョコレートをマシュマロで包んだ菓子を製作し、お返しする日を「マシュマロデー」として世に売り出しました。その後、百貨店からの要望を受け「ホワイトデー」に名称を変更し、変更後より全国で定着するイベントとして広まったのです。
全国飴菓子工業協同組合の考案した「キャンディーの日」が起源とされている説があります。バレンタインデーのお返しを贈りたい、といった風潮を受け、キャンディーの購買意欲を高めるべく制定されたのが「キャンディーの日」です。また、全国飴菓子工業協同組合が「ホワイトデー」と名付けたのには、純潔や純粋な愛といったイメージのある白色を採用したことが理由であり、当時のターゲット層は若者がメインとされていました。
有名菓子メーカーがバレンタインデーのお返しとして商品を売り出したことがきっかけであるとする説もあります。バレンタインデーがイベントとして普及したころ、バレンタインデーのお返し用に商品を販売する動きがさまざまな菓子メーカーで見られました。
その中の1店舗が売り出した「リターン・バレンタイン」の名称が、のちのホワイトデーに変化したとされています。そのころは、マシュマロやビスケットなどがお返し用の菓子として販売されていました。
ホワイトデーが誕生した当時は、「マシュマロデー」や「キャンディーの日」と呼ばれていました。しかし、名前が定着しなかったことから現在の名称である「ホワイトデー」に変更されたのです。また、ホワイトデーである3月14日が選ばれた理由には、百貨店の閑散期やバレンタインデーの起源となった人物が関係しているとされています。
3月14日がホワイトデーと呼ばれる由来には、マシュマロの色から取った説と白色のイメージから取った説があります。当時、老舗和菓子店はマシュマロデーとしてマシュマロを販売していましたが、売り上げは芳しくありませんでした。
そのような折、商品を取り扱っていた百貨店からマシュマロの色にちなんだホワイトデーへ名称変更の提案があり、変更後、現在まで定着する名称となったとされています。また、全国飴菓子工業協同組合が由来の説では、白色のイメージである「純潔」や「純粋な愛」といったイメージからホワイトデーの名称がつけられたとされています。
3月14日がホワイトデーに制定された背景には、百貨店の閑散期やバレンタインの起源となった聖職者が関係しているとされる説が有名です。「マシュマロデー」を生み出した和菓子店では、3つの候補から百貨店の閑散期である3月14日に決定したとされています。
一方、バレンタインデーの起源となったバレンタイン司祭が由来とされている説には、司祭が結婚を取り持った夫婦が司祭の処刑日である2月14日から1か月後の3月14日に愛を再確認した日であることが関係しているとされています。
ホワイトデーに贈るお菓子には異なった意味があるため、相手にどのような意味合いで贈るのかを考えてから贈ったほうがよいでしょう。知らずに贈ると、自分の意図とは違った意味で受け取られる場合もあります。
ホワイトデーに贈るキャンディーには、「あなたが好き」といったメッセージが込められています。キャンディーは口の中に長く留まり甘みが長時間継続するため、好意を抱いており、相手のことが好きであるといった意味を伝えられるでしょう。
そのため、本命の人に向けた贈り物として適しています。また、キャンディーの味で込めるメッセージが異なります。例えば、レモン味は「真実の愛」、いちご味には「恋や結婚・子孫繁栄」など、恋や愛にまつわる意味が込められているため、メッセージを考えながら選ぶとより楽しめるでしょう。
金平糖をホワイトデーに贈る意味はキャンディーと似ていますが、より強い意味が込められています。キャンディー同様、本命の相手へ贈ることがおすすめです。金平糖は口の中に長く留まり甘さを長時間味わえる上、キャンディーよりも保存期間が長く設けられています。
その特徴から、「永遠の愛」といったメッセージが込められており、長く愛を築きたい相手への贈り物に適しています。その反面、本命でない相手へ贈るとトラブルの元となる可能性もあるため注意しましょう。
キャラメルは、優しくほどけるような甘さから、相手への安心感を示すメッセージとして贈るプレゼントです。キャラメルの特徴であるほどけるような優しい甘さは、相手との信頼関係を連想させます。そのため、ホワイトデーにキャラメルを贈る相手は、パートナーが適しているでしょう。相手に対し安心感や信頼感を抱いていることが伝えられます。
クッキーを贈る相手は、友人として関係を続けたい相手が適しています。その理由は、クッキーの食感はとても軽く、舌触りもしっとりしていないことから、友人関係を連想させるとされているためです。
また、クッキーを本命の相手に贈ると恋が実らない可能性もあるため注意しましょう。さらに、クッキーは種類が多い上、ほかのお菓子よりも気軽に買える点も本命ではないといったメッセージにつながるとされています。
ホワイトデーの起源となった商品であるマシュマロは、「相手のことが嫌い」といったメッセージが込められているため、本命相手には贈らないようにしましょう。マシュマロは口の中ですぐに溶けることから、関係の希薄さを意味しており、相手と距離を保った関係でいたい場合や好意を断りたいときに、柔らかな表現として贈る人もいます。
ホワイトデーは贈答文化のある日本で生まれたイベントであり、贈るお菓子によって伝えたいメッセージが異なります。そのため、ホワイトデーのお返しにお菓子を贈る場合は、お菓子が持つメッセージも考慮しながら選ぶと、贈る相手により喜んでもらえるでしょう。