チョコレートを購入してからしばらく置いておくと表面が白くなってしまったということがあります。茶色いチョコレートの表面が白くなっていると「カビが生えているのではないか」と不安になることもあるでしょう。
しかし、チョコレートが白くなる原因はカビ以外にもあります。今回はチョコレートが白くなった場合の原因や対処法をなどを紹介します。
結論としてチョコレートが白くなってしまう現象はブルーム現象というものです。ここではブルーム現象の概要やカビとの見分け方について解説します。ブルーム現象が起こるとチョコレートは食べられるものの、食感が損なわれる可能性があります。
ブルーム現象はチョコレートが温度変化を起こすことで発生します。チョコレートの原料であるココアバターは28度になると解き始めていきます。さらにそこから気温が上がるにつれて成分が分離し、やがて白い結晶になってチョコレートの表面に現れます。そしてチョコレートのパッケージを開けた時に白いものがついてしまうのです。
なお、ブルーム現象はチョコレート全体に広がっており触るとザラザラとしています。また匂いを嗅いだ際に特に特別な匂いは感じません。
ブルーム現象と間違えられやすいのがチョコレートのカビです。湿度の高いところに置いてしまったり長期間パッケージを開けたまま放置していると、カビる可能性があります。
カビの判断方法としては、綿状のものが付着している、1箇所に集中して発生しているといったものが挙げられます。また、袋を空けた際にカビ臭かったり、いつもと違う匂いを感じる場合はブルーム現象ではなくカビと判断しすぐに廃棄しましょう。
ブルーム現象が発生したチョコレートは腐っているわけではないため食べられます。しかしブルーム現象が起こったチョコレートは食感が悪くなっているため、早めに食べきるか別の方法で調理に使うのがおすすめです。
そのまま食べるとぱさついてしまいチョコレート本来の味を楽しめなくなるでしょう。
ここからはまず、ブルーム現象を避けるための方法を3つ紹介します。ブルーム現象が起こったチョコレートは食べられないわけではないものの、できるかぎり保存状態を工夫して、おいしい状態で食べ切りましょう。
まずはチョコレートを直射日光を避けて保管しましょう。直射日光に当たるとチョコレートは溶けてしまい、ブルーム現象が発生します。夏の暑い日だけでなく、1年を通してチョコレートは直射日光に触れないよう注意が必要です。
また、どのような食材においても直射日光は腐敗や品質劣化につながるため避けましょう。食材を管理する際は冷蔵庫、もしくは日光が当たらないパントリーでの保管をおすすめします。
チョコレートは開封後できる限り早く食べ切りましょう。チョコレートが温度変化にさらされたり空気に触れると、劣化の原因になります。
とくに、夏場は腐る可能性が高いため、開封後はすぐに食べる、もしくは食べきれない場合は冷蔵庫に入れて保管がおすすめです。
なお、冷蔵庫に入れる場合は開封口を密封してから保存がおすすめです。密封容器に入れたり、アルミホイルでしっかりと包んでから保管しましょう。冷蔵庫の空気に触れるとさらに食感が損なわれる可能性が高まります。
チョコレートは直射日光を避けるだけでなく温度差も避けましょう。高温で溶けてしまったチョコレートを急に冷蔵庫に入れて冷やすと、ブルーム現象が起きます。そのため、チョコレートは常温のままで食べ切ってしまうか、食べられない場合は温度変化の少ないパントリーなどに収納しましょう。夏場はチョコレートの買いだめを避けるのが賢明です。
なお、お出かけの際におやつとしてチョコレートを持ち歩いていると、温かい時期は「気がついたらチョコが白くなっていた」ということもあります。
ここからはチョコレートが白くなってしまった場合に試したい、おすすめの食べ方を5つ紹介します。
ブルーム現象が起こり白くなったチョコレートはそのままでも食べられますが、風味が損なわれているためアレンジして食べると良いでしょう。
1つ目のアイデアはホットチョコレートです。チョコレートを温めて溶かし、牛乳と一緒にドリンクとして味わえます。なお、ホットチョコレートの上にマシュマロを乗せて溶かしても贅沢な気分を味わえます。生クリームを入れて深みのある味わいに仕上げるのもおすすめです。簡単に作れるため、お子さんと一緒に楽しむのも良いですね。
夏場はホットチョコレートを作った後、冷蔵庫で冷やしてアイスチョコレートドリンクにするのもおすすめです。ミルクが入っているため通常のチョコレートのように固まることがありません。
チョコレートを溶かしてしまいフルーツにディップして食べる方法もおすすめです。旬のフルーツとチョコレートを一緒に味わえます。チョコレートを小さな鍋で溶かし、ココットに入れてイチゴやぶどう、缶詰のフルーツなどに絡めてみましょう。友達と自宅でパーティーをする際、子どものお誕生日などイベントごとに適しています。
チョコレートを溶かす方法としてチョコレートトーストもおすすめです。トーストにチョコレートを細かく砕いて乗せ、温めて溶かしましょう。焼き上がったら、とろとろになったチョコレートをバターナイフで伸ばして完成です。
休日のちょっとした贅沢な朝ごはんにぴったりです。なお、トーストに乗せる際にアーモンドミルクを足したりバターをのせるとより深みのある味わいを楽しめます。バナナやいちごなど、フルーツを乗せるのも良いでしょう。
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チョコレートを細かく砕いてトッピングに使う方法もおすすめです。たとえば、アイスクリームの上に砕いたチョコレートを乗せて食べたり、クッキーを作る際に生地に乗り込んで作ったりという方法が挙げられます。
また、ホットケーキを焼く際にタネを作った中に砕いたチョコレートを混ぜ込むといつもと違ったおやつを楽しめます。ブルーム現象が起こったチョコレートは加工すると、見栄えを気にせずおいしく食べられるでしょう。
チョコレートが余っている場合は、休日にお子さんと一緒におやつ作りを行うのもおすすめです。白くなってしまったチョコレートを消費でき、かつ楽しい時間を過ごせます。
ブルーム現象はチョコレートの温度変化によって発生します。しかし、一度チョコレートを溶かしてしまう「テンパリング」を行うと元の状態に戻せます。テンパリングはココアバターの状態を安定させるためにチョコレートの温度調整を行うことです。テンパリングの流れは下記の通りです。
・チョコレートを刻み、50度ぐらいのお湯で湯煎にかける
・湯煎から外したらチョコレートの温度を氷水を当てて、27°から20°ぐらいに下げる
・再び湯煎にかけてチョコレートの温度を31°程度まで温める
お菓子作りに興味がある方は挑戦してみるのも良いですね。テンパリングを行うことでチョコレートの滑らかな舌触りや風味が元通りになります。
チョコレートは直射日光や温度が高い場所に置いておくとブルーム現象がおき、見た目が悪くなってしまいます。食べられないわけではないものの、食感を損なったりあまり見栄えのいいものではありません。
気がついたら食べ切ってしまうか、別のアレンジ方法を試してみるのが良いでしょう。とくに、夏場はチョコレートの温度変化でブルーム現象が起こりやすくなります。チョコレートは食べきれる分だけ購入するか、食べきれない場合は冷蔵庫で保管したりアレンジしながら消費するのがおすすめです。