チョコレートは数あるお菓子のなかでも溶けやすい食品として有名です。とくに夏場の場合は常温に置いているだけでも溶けてしまうため、非常にデリケートといえるでしょう。今回は、チョコレートの溶ける温度の詳細について解説します。
チョコレートが溶ける温度はおよそ28℃
チョコレートが溶ける温度は、およそ28°C前後です。ただ一言にチョコレートといっても、ミルクチョコレートやダークチョコレートなど、さまざまな種類が存在します。各チョコレートの溶ける温度は、以下の通りです。
ダークチョコレート |
32℃〜 |
スイートチョコレート |
30℃〜 |
ミルクチョコレート |
29℃〜 |
ホワイトチョコレート |
27℃〜 |
なお、上記の温度はあくまで溶け始めの温度の目安であり、チョコレート菓子を作る際に溶かす温度とは異なります。お菓子や料理を作るときのチョコレートの温度は、およそ40℃〜55℃程度必要です。
チョコレートは一度溶けると美味しくない
チョコレートは一度溶けても、再び冷蔵庫などで冷やせば固まるため、食べることは可能です。しかし、一度溶けたチョコレートは元の状態よりも劣ります。その原因は、風味や舌触りが一度溶けることによって変わるからです。
そもそも、チョコレートは温度に敏感な食品で、極端な温度差が苦手です。食べられるかどうかという話であれば、溶ける温度が問題になることはありませんが、風味を保つためには適切な温度で保管する必要があります。
チョコレートの溶かし方は主に2種類
ここではチョコレートの主な溶かし方を2種類紹介します。チョコレートの溶かし方は、主に「湯煎」と「電子レンジ」の2種類です。チョコレートケーキやフォンダンショコラなど、チョコレートを加工してお菓子を作る場合は、一度チョコレートを溶かす工程が必要です。それぞれの方法で溶かす場合は、特徴や注意点を踏まえたうえで調理に臨みましょう。
チョコレートを「湯煎」で溶かす
チョコレートを溶かす基本の方法は湯煎です。ただし、湯煎といっても使うのは熱湯ではなく、50℃〜55℃前後のお湯を使うのを推奨します。というのも、前述したようにチョコレートは温度に敏感な食品であるため、熱湯(90°C以上)のような高温に触れるとチョコレートの質が変化して舌触りが悪くなります。そもそもチョコレートを溶かすのに高い温度は必要ないため、水を入れた小鍋に火をかけて、50℃〜55℃前後まで上がれば問題ありません。
また、鍋にチョコレートを入れて直接火にかける行為も推奨されていません。直火の場合は温度にムラができるため、たとえ一部の温度が適切でも、100℃以上の箇所や20℃程度の箇所が発生してしまいます。チョコレートを溶かしてお菓子に使う場合は、必ず50℃〜55℃前後のお湯で湯煎しましょう。
チョコレートを「電子レンジ」で溶かす
チョコレートを溶かす基本の方法は湯煎です。ただし、湯煎といっても使うのは熱湯ではなく、50℃〜55℃前後のお湯を使うのを推奨します。というのも、前述したようにチョコレートは温度に敏感な食品であるため、熱湯(90°C以上)のような高温に触れるとチョコレートの質が変化して舌触りが悪くなります。そもそもチョコレートを溶かすのに高い温度は必要ないため、水を入れた小鍋に火をかけて、50℃〜55℃前後まで上がれば問題ありません。
また、鍋にチョコレートを入れて直接火にかける行為も推奨されていません。直火の場合は温度にムラができるため、たとえ一部の温度が適切でも、100℃以上の箇所や20℃程度の箇所が発生してしまいます。チョコレートを溶かしてお菓子に使う場合は、必ず50℃〜55℃前後のお湯で湯煎しましょう。
チョコレートがうまく溶けない原因
ここからは、チョコレートがうまく溶けない原因について解説します。チョコレートは温度にデリケートな分、温度調節である「テンパリング」が難しいといわれます。もしチョコレート菓子の作成でうまくいかない場合は、以下の点に当てはまっていないか注目してください。
チョコレートに水分が混ざる
チョコレート菓子を作るときの大敵は「水分」です。チョコレートは成分のほとんどが油分を占めているため、水分が混じることで水分とチョコレートが混ざらずに分離してしまいます。
例えば、レンジや湯煎にかけるボウルに水分が付着していたり、湯煎のお湯がチョコレートのボウルに入ってしまったりすると失敗してしまいます。そのため、チョコレートを溶かす際には必ず水分が混じらないように注意しましょう。
チョコレートの温度管理が不十分
チョコレートをテンパリングするときは、必要な温度をキープする必要があります。例えば、30度前後のお湯で湯煎した場合、チョコレートがダマになってしまいますし、湯温が90度以上の場合はチョコレートの状態が変質して、冷やし固めた時にボソボソの食感になってしまいます。チョコレートは温度に敏感な食品であるため、湯煎の温度がわからない場合は製菓用の温度計などを使用しながら作業すると確実です。
チョコレートが均一に混ざっていない
溶かしたチョコレートはゴムベラで混ぜて、全体を均一にしましょう。かくはんが不均一だとチョコレートの結晶状態が不安定で、最終的なチョコレート菓子の仕上がりに影響します。とくにチョコレートを溶かしてソースとしてコーティングする場合、テンパリング時の温度管理が重要な役割を担います。
ただし、均一にかくはんするといっても混ぜすぎは禁物です。混ぜすぎると余計な空気が含まれてしまい、チョコレートの食感がボソボソになってしまう可能性があります。チョコレートを溶かすときは、湯煎を始めてからすぐに混ぜるのではなく、チョコレートがある程度溶け始めてからゆっくりと混ぜるのがよいでしょう。
調理器具の手入れが適切でない
チョコレート菓子作りは、ボウル以外の調理器具に水分が付着していても失敗を招きます。例えば、ゴムベラや泡立て器といったチョコレートに直接触れる器具類の水分には気をつけなければなりません。
とくに泡立て器は金属同士の隙間に水分が残っている場合が多いため、注意が必要です。調理器具に残った水分は衛生面でもよくないため、チョコレート菓子に限らず、お菓子類を作る時は調理器具の水分を事前に拭き取って乾燥させた上で作業しましょう。
チョコレートの適切な保存方法
ここからは、チョコレートの適切な保存方法について解説します。チョコレートは基本的に常温で保存する食品ですが、真夏の気温が高い時期の場合は常温に置いておくとチョコレートが溶けてしまいます。チョコレートの風味や舌触りを損なわずに保存するには、以下の方法をお試しください。
冷暗所に保存する
チョコレートは気温や室温が22℃以下までであれば溶けることはありません。そのため、チョコレートを保存するときは15℃〜22℃の冷暗所に保存するのをおすすめします。もし持ち運びする場合は容器に保冷剤を入れる、購入してからすぐに食べるといった工夫が必要です。
人間の体温でチョコレートは簡単に溶けてしまうため、持ち運びをする時は自分の体にチョコレートが当たらないように気をつけなければなりません。例えば、リュックサックにチョコレートを入れて持ち運びする場合は、できるだけ背中から離れたところに入れたほうがよいでしょう。
夏場は冷蔵庫に保存する
真夏は常温に置いていてもチョコレートが溶けてしまいます。そのため、常温で保存できない場合は冷蔵庫を使用しましょう。もし冷蔵庫からチョコレートを取り出して食べるなら、ある程度温度を戻してから食べると風味を損なわずに食べられます。
ただ、チョコレートの好みは人それぞれです。なかには冷蔵庫から出したての固いチョコレートが好きな人もいます。あくまで風味や食感を最大限に活かす場合は常温がよいという話であり、冷やしてはいけないわけではありません。
長期保存するなら冷蔵庫
チョコレートは賞味期限がないといわれるほど長期保存に向いた食品です。しかし油分を多く含むため、長期間空気にさらすと油の酸化や成分の劣化により、風味が損なわれるのは避けられません。そのため、長期保存する場合は冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。
その際、チョコレートが空気に触れないように密閉できる袋や容器に入れてから冷蔵庫に入れるのをおすすめします。チョコレートの成分は冷蔵庫の匂いを吸着してしまうため、庫内の空気にさらされたチョコレートを食べると、匂いが移って味を損ねてしまう可能性があります。
チョコレートのおいしいまま持ち運びするための容器
チョコレートの美味しさをそのままキープしながら持ち運ぶには、保冷剤やアルミホイルを活用しましょう。保冷剤は夏場でも温度を上げずにチョコレートを持ち運びでき、アルミホイルは温度を遮断するのに効果的です。また、持ち運びにはタッパーを使うのをおすすめします。タッパーは外気が入りにくい分、ほかの容器よりも比較的温度をキープできます。
チョコレートが溶けないよう適切な温度で管理しよう
チョコレートは常温で放置していても食べられる食品ですが、本来チョコレートは温度に敏感な食品です。温度が高いと溶けるのはもちろん、極端な温度変化も風味や舌触りを損ねてしまいます。チョコレートを保存するときは、室温が15°Cから22°Cが適切で、気温が高い日は密閉して冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。