Chocolate

チョコレートの原料はカカオ豆!その他の材料や種類ごとの特徴も紹介

チョコレートは主な原料であるカカオ豆に砂糖やミルクパウダーなどを加えて作られます。当記事ではカカオ豆を含むチョコレートの原料や製造工程、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートなどの種類ごとの特徴も紹介します。

チョコレートの主な原料は5種類

チョコレートはカカオ豆を中心とする主に5つの原料でできています。ここではチョコレートの主原料について、概要や原料として使う理由などを詳しく解説します。

カカオ豆

チョコレートの原料として最も重要なのがカカオ豆です。カカオ豆とは、カカオの樹に実る果実から取れる種子のことです。カカオ豆とよばれるもののマメ科の植物ではないため、正確には豆ではありません。 カカオの樹は温暖な気候を好むため、カカオ豆はコートジボワールやガーナなどのアフリカ諸国で多く生産されています。なお、カカオ豆からチョコレートを作るためには生のカカオ豆に手を加え、カカオマスを取り出す必要があります。

砂糖

カカオ豆にはほとんど甘みが含まれていないため、美味しいチョコレートを作るには砂糖が欠かせません。一般的なグラニュー糖のほか、ココナッツシュガー、アガベシロップといった砂糖以外の甘味料が使われることもあります。砂糖の種類は完成したチョコレートの味わいに影響するため、メーカーやチョコレートの種類によって異なります。

ミルクパウダー

ミルクパウダーとは、脱脂粉乳や全粉乳に代表される牛乳などを乾燥させて粉末状にしたもののことです。脂肪分が多いカカオ豆には、牛乳などの液体と混ざりにくいという性質があります。そのため、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートの製造ではあえて粉末状にしたミルクパウダーが使われるのです。

バニラ

バニラは古くからチョコレートの香り付けに使われてきました。現在のメキシコ付近にあった古代国家アステカではすりつぶしたカカオ豆にトウモロコシの粉やバニラを加えたものが飲用されていたと伝えられています。ただし、現代では天然のバニラは非常に高額なため、チョコレートの製造には合成香料などが使われることもあります。

レシチン

脂質の一種である「レシチン」は、安定性や作業性を向上させる食品添加物です。一般には乳化剤と呼ばれており、大豆や菜種、ひまわりなどから採取されます。チョコレートの場合、温度を調整するテンパリングの工程でレシチンを加えると粘性が下がり、なめらかで扱いやすくなります。

カカオ豆がチョコレートになるまで

カカオ豆がチョコレートになるには多くの時間と手間が必要です。カカオ豆がチョコレートになるまでの過程は大きく2つの工程に分けられます。ここではそれぞれの工程について詳しく紹介します。

1.カカオ豆からカカオマスに加工する

カカオ豆からチョコレートを作るには、まずカカオニブならびにカカオマスに加工する必要があります。収穫したカカオ豆を発酵させ、乾燥させてからローストして砕いたものがカカオニブです。カカオニブは成分の約半分が脂肪分のため、すりつぶすと油分が出て液状になります。液状になったカカオニブを固めたものがカカオマスです。

2.カカオマスからチョコレートに加工する

カカオマスは以下の工程を経てチョコレートに加工されます。 1.カカオマスとココアバターを混ぜ合わせる 2.砂糖やミルクパウダーを加える 3.24時間から72時間ほど機械で練る(コンチング) 4.温度を調整し、ココアバターを安定させる(テンパリング) 5.型に流し入れ、成形する カカオに対する砂糖やミルクパウダーの割合はミルクチョコレート、ダークチョコレートなど作りたい種類によって異なります。機械を使い、長い時間をかけてチョコレートを練るコンチングは口溶けのよいチョコレートを作るための大切な工程です。また、テンパリングにはチョコレートを安定させるだけではなく、光沢を引き出す目的もあります。

チョコレートの種類ごとに含まれる主な原料

チョコレートにはスイートチョコレート、ミルクチョコレートなどいくつかの種類があります。明確な基準はないものの、含まれている原料の割合によって呼び分けられるのが一般的です。ここでは代表的な4種類のチョコレートについて、主な原料を紹介します。

スイートチョコレート

スイートチョコレートとはカカオマス、ココアバター、砂糖などの糖分を主原料とするチョコレートのことです。乳成分は含みません。苦みが強いカカオはそのままでは食べにくいため、カカオの風味を残しつつ、糖分を加えて食べやすくしていることが特徴です。ビターチョコレート、ダークチョコレートと呼ばれることもあります。

ミルクチョコレート

ミルクチョコレートとは、ミルクパウダーなどの乳成分が加えられた色の淡いチョコレートのことです。企業が販売する場合は、全国チョコレート業公正取引協議会により以下の基準を満たすものだけがミルクチョコレートと呼ばれます。 ・カカオ分が21%以上(うちココアバターが全重量の18%以上) ・乳固形分が14%以上(うち乳脂肪が全重量の3%以上) ミルクチョコレートに加えられる乳製品には脱脂粉乳や全粉乳などの種類があり、出来上がったチョコレートの味わいに影響を与えます。

ホワイトチョコレート

ホワイトチョコレートとは、ココアバターと砂糖、乳成分から作られているチョコレートのことです。一般的なチョコレートの主原料であるカカオマスは含まれていませんが、カカオ豆由来のココアバターが入っていることからチョコレートに分類されます。チョコレートの色や苦みのもととなるカカオマスが入っていないため、白くて甘みがあることが特徴です。

フレーバーチョコレート

チョコレートにさまざまな原料や香料、色素を加えて味や香りを付けたものをフレーバーチョコレートと呼びます。色や味わいを表現しやすいため、ホワイトチョコレートをベースに作られるのが一般的です。ストロベリーや抹茶など多様な種類があり、そのまま食べる以外にお菓子作りの材料として使われることもあります。

チョコレートの原料であるカカオ豆からできるもの

チョコレートの原料であるカカオ豆からは、カカオニブやカカオマス以外にさまざまな材料を作り出せます。代表的なものがココアバターやココアパウダーです。お菓子や飲み物の材料として使われているため、聞いたことがある人もいるでしょう。ここではココアバターとココアパウダーの特徴や性質を紹介します。

ココアバター

カカオ豆から作られたカカオニブには55%程度の脂肪分が含まれています。カカオニブをプレスし、脂肪分だけを取り出したものがココアバターです。カカオバターと呼ばれることもあります。ココアバターには冷やすと固まる一方で、人の体温に近い温度で溶ける性質があります。市販のチョコレートが固形の状態を保っていることや、口に入れるととろける食感を楽しめることはココアバターの性質によるものです。

ココアパウダー

カカオニブからココアバターを取り除いた残りを粉末にしたものがココアパウダーです。純ココア、ピュアココアということもあります。ただし、製造の過程でココアバターを完全に取り除けないため、ココアバターにも脂肪分が含まれています。 飲み物のココアとは、ココアパウダーに砂糖や牛乳を加えて混ぜたものです。ココアパウダーは粉末状で扱いやすいため、製菓材料としてもよく使われています。

チョコレートのメイン原料はカカオ豆

チョコレートはカカオ豆をメイン原料に糖分や乳成分を加えて作られています。ただし、カカオ豆は発酵や焙煎、粉砕といったさまざまな工程を経てカカオニブに加工したうえで使われているように、チョコレートを作るには多くの時間や手間がかかります。 なお、スイートチョコレートやミルクチョコレートといったチョコレートの種類は、成分の含有量に着目した分類です。原料について知ることは、好みのチョコレートを見つけるのに役立つでしょう。
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